外国人向け公営住宅ガイド #01

外国人は日本の公営住宅に申し込める?
申込条件・資格と事前確認チェックリスト

在留カードをお持ちの外国籍の方でも、一定の要件を満たせば都営・県営・市営住宅に応募できます。
在留資格、収入基準、同居要件、そして入居時の重要ルールをわかりやすく解説します。

📅 公開日: 2026-10-02🔄 最終確認日: 2026-10-02🌐 対応言語: 日本語 / English

1. 結論:外国籍の方でも日本の公営住宅に申込みできます

結論から言うと、外国籍の方であっても、日本の法律(公営住宅法)および各自治体の条例で定められた要件を満たしていれば、都営住宅、県営住宅、市営・区営・町営住宅に申し込むことができます。

💡 重要ポイント国籍による差別的扱いは原則ありませんが、日本に合法的に中長期滞在し、住民登録を行っている住民であることが大前提となります。 短期滞在(観光ビザなど)や不法滞在での申込みは一切できません。

ただし、「外国人であれば誰でも無条件に申し込める」わけではありません。公営住宅は低所得者向けに税金で建てられた福祉的なセーフティネット住宅であるため、収入上限や居住地・世帯要件などの厳しい基準が設けられています。

2. 申込みに必要な4つの基本要件

公営住宅に申し込むためには、国籍を問わず以下の4つの柱となる条件をすべて満たす必要があります。

1

住民登録および適法な在留資格

日本の住民基本台帳に登録(住民票が交付される状態)されており、適法な「中長期在留者」または「特別永住者」であること。

在留カードの提示が必須です。在留期間の満了日が迫っている場合、更新手続中の証明が求められることがあります。
2

居住地または勤務地の要件

申込み先の自治体(都・県・市・区・町)内に、一定期間以上継続して住民登録があること(例: 都内に1年以上居住)、または同自治体内の事業所に勤務(通勤)していること。

自治体により「3ヶ月以上」「1年以上」「継続して住んでいること」など期間要件が異なります。
3

収入基準(所得が一定以下であること)

公営住宅は住宅に困窮する低額所得者向け制度のため、世帯の所得合計が「定められた収入基準額以下」でなければなりません。

一般的な基準(政令月収)は月額158,000円以下です。高収入の方は申込みできません。
4

同居親族要件・住宅困窮要件

原則として家族(親族)での入居が基本です。単身(1人暮らし)での申込みは、高齢者・障害者・DV被害者など条例で定められた対象枠に限られるケースが一般的です。また、現在持ち家を所有していないなど住宅に困窮していることが求められます。

3. 在留資格・在留カードに関する具体的注意点

外国籍の方が申し込む際、自治体の資格審査窓口(東京都住宅供給公社、神奈川県住宅供給公社など)で厳格に確認されるポイントです。

在留資格・区分申込可否の目安主な留意点・確認事項
永住者 / 特別永住者⭕ 原則申込可能在留期間の制限なし。日本人と同様の手続きで審査が進みます。
日本人の配偶者等 / 永住者の配偶者等⭕ 原則申込可能同居する配偶者との家族関係・婚姻関係の証明書が必要。
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)⭕ 条件付きで可能在留期間が残っていること。勤務先の在職証明書・給与明細・課税証明書が必要。
定住者⭕ 原則申込可能在留期間が1年以上残っていることなど各自治体要件を確認。
留学・家族滞在🔺 自治体により異なる収入要件(アルバイト等の上限内、または独立した生計要件)や同居資格で制限がある場合が多い。
短期滞在(観光・商用など)❌ 申込不可住民票が取得できないため、日本の公営住宅には一切申し込めません。

※ 千葉県営住宅など一部の自治体では、「申込者および同居親族の在留期間が残存1年以上であること」といった具体的な残余期間条件が募集要項に明記されている場合があります。

4. 収入基準(所得上限)の計算の仕組み

公営住宅の最大の特徴は、「所得が低くなければ申し込めない(上限がある)」という点です。民間賃貸住宅のように「家賃を払える高い収入があること」が審査されるのではなく、逆に「一定基準以下の収入であること」が要件となります。

政令月収の計算式(公営住宅法)政令月収 =(世帯全員の年間総所得金額 − 控除額合計)÷ 12ヶ月
  • 一般世帯: 原則として 月額 158,000円 以下
  • 裁量世帯(高齢者、心身障害者、未就学児のいる子育て世帯など): 月額 214,000円 以下

※額面の「年収(支払金額)」ではなく、税法上の「所得金額」から各種控除(扶養控除・障害者控除等)を引いた後の金額で判定します。自営業やフリーランスの方は確定申告書の控除後所得が基準となります。

5. 外国人が特に注意すべき厳格ルールと日本の賃貸慣習

公営住宅に入居できた後、または審査の過程でトラブルになりやすい重要な日本の集合住宅ルールがあります。

① 無断同居・名義貸し・転貸の厳禁

公営住宅では、「申請時に届け出て審査を通過した家族」以外の人間を無断で住まわせることは法律および条例で固く禁じられています。

  • 友人を一時的に居候させる行為
  • 母国から親族を呼び寄せて事前の承認なく同居させる行為
  • 部屋を第三者に又貸し(転貸)したり、民泊(Airbnb等)として貸し出す行為

これらは重大な契約違反となり、発覚した場合は即座に明渡し請求(強制退去)を受け、損害金の支払いを命じられます。

② 連帯保証人と緊急連絡先

かつては日本国籍の親族による連帯保証人が2名必須とされていましたが、現在は国土交通省の通知に基づき、保証人免除や指定保証会社(家賃保証)の利用を認める自治体が増えています。ただし、緊急時に確実に日本語で連絡が取れる緊急連絡先の登録は依然として必須です。

③ 生活マナーと共同生活ルール

公営住宅は集合住宅であり、高齢者や子育て世帯など多様な住民が暮らしています。

  • 騒音への配慮: 夜間(22:00〜翌朝7:00頃)は静かに過ごす時間帯とされています。大音量の音楽、夜間の洗濯・掃除、深夜の騒ぎ声は厳禁です。
  • ゴミ出しと分別: 自治体指定のゴミ袋を使用し、可燃ゴミ・不燃ゴミ・資源ゴミに細かく分類して指定された日時の朝に出す必要があります。
  • 共用部分の私物放置禁止: 廊下、階段、エントランス、ベランダは避難経路を兼ねた共用部です。靴や傘、自転車、段ボール等を放置することは禁止されています。
  • 室内土足厳禁: 日本の住宅は玄関で靴を脱ぐ構造です。土足での生活は床材の破損につながり、退去時に高額な原状回復費用を請求されます。

6. 申込み前セルフチェックリスト

📋 外国人申込者の事前確認リスト
  • ✓ 日本の住民基本台帳に登録されている(住民票が取得できる)
  • ✓ 在留カードを所持しており、在留期間が十分に残っている
  • ✓ 申込み対象自治体に居住または勤務している(所定期間の要件をクリアしている)
  • ✓ 世帯の政令月収が基準(原則158,000円/月以下)に収まっている
  • ✓ 直近の住民税(都道府県民税・市区町村民税)を滞納なく納付している(納税証明書が出せる)
  • ✓ 現在住宅に困窮しており、自己所有の不動産がない
  • ✓ 単身申込みの場合、単身向け募集の対象要件(年齢・障害等)を満たしている
🏛️ 一次情報出典・公式参考資料

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